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うつ病にも、いろいろある

うつ病について ~うつ病にも、いろいろある~

はじめに

  • うつ病は、少し前まで「心の風邪(かぜ)」などと呼ばれ、誰でもかかりうる軽い病気であり、薬を飲んでのんびり休んでいれば簡単に治る病気のように言われてきた
  • しかし、近年、長引くうつ病が増え、薬だけでは治療が困難なうつ病が注目されている
  • 今回は、うつ病に関して、実は様々な種類があり、少々混乱した状況であることを説明したい

従来の、うつ病分類 (~1980年代)

  • 原因による分類・・・ドイツ精神医学
  • 生涯罹患率・・・躁うつ病として、0.05%
  • 内因性うつ病 (メランコリー型うつ病)
  • 反応性うつ病
  • 身体因性うつ病
  • 症状性うつ病(抑うつ神経症)
  • その他・・・季節性うつ病、産後うつ病など

DSM以降の、うつ病分類

DSMとは・・・アメリカ精神医学会の分類。すべての精神疾患を「症候群」として扱う

  • 日本では、1990年代に普及した
  • 生涯罹患(りかん)率・・・15%
  • 「日本うつ病学会」は、日本のいわゆる「うつ病」は主に以下の4タイプが含まれると説明している
  • 大うつ病性障害(メランコリー型)
  • 双極性障害(躁うつ病)
  • 気分変調性障害
  • 非定型うつ病

大うつ病性障害

  • 大うつ病エピソードを伴う
  • 従来は、うつ病を「躁うつ病のうつ相」としてとらえていた、つまり、うつ病は「躁うつ病の一部」だったが、DSMでは「うつ病性障害」を単独な精神疾患としてとらえ、「躁うつ病(双極性障害)」とは別な精神障害として分類している
  • 大うつ病性障害のなかでも「メランコリー型」は典型的な「うつ病」であり、従来の内因性うつ病が含まれる

大うつ病エピソード(DSM-Ⅳ)

※(1)または(2)を含む5つ以上の症状が2週間以上続く

  • (1)抑うつ気分
  • (2)興味または喜びの喪失
  • 食欲減退・体重減少または食欲増加・体重増加
  • 不眠または睡眠過多
  • 焦燥または制止
  • 易疲労感または気力の減退
  • 無価値感または罪責感
  • 思考力や集中力の減退または決断困難
  • 死への反復思考、自殺念慮、自殺企図、自殺の計画

双極性障害

  • 大うつ病エピソードを伴う
  • さらに、躁状態の時期があるのが特徴
  • 躁状態がはっきりしている「双極性Ⅰ型障害」と、躁状態がはっきりしない「双極性Ⅱ型障害」に分けられる
  • 「双極性Ⅱ型障害」はうつ病性障害と見分けが困難で、抗うつ薬を用いると躁転しやすいので注意が必要。人格障害のようにみえる場合もある

気分変調症

  • 「気分不調症」と読みかえると分かりやすい
  • 大うつ病エピソードほど症状が強くない
  • 2年以上続く
  • 従来の、「抑うつ神経症」に似ている
  • 性格要因が強く、薬だけでは治療が困難である

非定型うつ病

  • 近年、急増しているとされる
  • 大うつ病エピソードを満たす。その上で以下がみられる
  • 「気分の反応性」がみられる
  • 嫌いなことはできないが、好きなことならできる
    (例)仕事となるとうつになるが、趣味ならできる
  • 鉛(なまり)様の麻痺(手足が鉛(なまり)のように重い)
  • 著明な食欲・体重増加。過眠
  • 長期間の対人関係の拒絶を引き起こす過敏さ
  • 新型うつ病(後述)と同義?
  • 従来の、抑うつ神経症で2年未満のものを含む?(2年以上続く場合は、気分変調症?)
  • 性格要因が強く、薬や休息だけでは治りにくい

その他の、うつ病

  • 新型うつ病
  • 未熟型うつ病
  • 逃避型抑うつ
  • ディスチミア親和型うつ病

新型うつ病

  • マスコミ用語。職場で問題となることが多い
  • 従来のうつ病、とくに内因性うつ病らしくない、近年急増したうつ病を総称
  • 自ら「自分はうつ病」と言いたがる人たち
  • 疾病利得?
  • 否定的、非難的ニュアンスを含む
  • 実は新型ではなく以前からあったとの主張もある
  • 非定型うつ病、未熟型うつ病、逃避型抑うつ、ディスチミア親和型うつ病、気分変調症や抑うつ気分を伴う適応障害などを幅広く含んでいる

未熟型うつ病、逃避型抑うつ、など

  • 「未熟型うつ病」は1950年代にすでに指摘されていた
  • 「退却神経症」(1975年)、「逃避型抑うつ」(1977年)など、人格の未熟さからくる抑うつが報告されていた
  • 内容的には、似て非なる面がある
  • 「新型うつ病」に対して、実は新型ではないという場合に引き合いに出される

ディスチミア親和型うつ病

  • (役割抜きで)自分自身への愛着が強い
  • 規範(ルール)をストレスと感じ、抵抗する
  • 秩序への否定的感情と漠然とした万能感
  • もともと仕事熱心ではない
  • 不全感と倦怠感
  • 回避と他罰的傾向(他人への非難)
  • 衝動的な自傷行為、「軽やかな」自殺
  • 初期から「うつ病」の診断に協力的
  • 「うつ病」の存在確認に終始し、「うつ病の私」に固着
  • うつ病からの離脱が困難、慢性化しやすい
  • 薬物の反応は多くは部分的効果にとどまり、病み終えない
  • 「症状経過」と「生き方」が不分明
  • 環境の変化で急速に改善することがある

抑うつ気分を伴う適応障害

  • 分類上は「適応障害」だが、日本では「うつ病」と診断されることが多い
  • 「グローバル化」で急速に経済競争激化。「長時間労働」が当たり前となった
  • 一方で、日本は「ゆとり教育」をやっていた
  • 「ストレス理論」による、しつけ・教育が数十年続いた
  • 「少子化」による、子供への「過保護・過干渉」
  • 「野生の喪失」、「ペット化、家畜化」
  • 「引きこもり」が100万人を突破(35歳以下で70万人)。自殺者年3万人が10年以上続いた(現在でも年2万5千人以上)。先進国で自殺率トップ。平和で豊かな日本でなぜ?
  • 以上の予備群としての「うつ病」が蔓延(まんえん)

うつ病と合併しやすい疾患

  • 境界性人格障害(情緒不安定性パーソナリティ障害)
  • アルコール依存症や薬物依存症(覚せい剤、麻薬、その他)
  • パニック障害、社交不安障害(社会不安障害)、全般性不安障害などの不安障害
  • 摂食障害、とくに過食症
  • 解離性障害
  • 統合失調症
  • 認知症
  • 甲状腺機能低下症、更年期障害、糖尿病、脳疾患、がんなどの身体疾患

なぜ、「うつ病」は混乱したか?

  • DSMが原因などを抜きにして症候群として診断するため、診断基準を満たす人が幅広くなった
  • 日本でのDSMの取り入れ方が中途半端で、「うつ病」というDSMには明確にない診断名が横行している
  • DSMでは、従来診断の「神経症」と「ヒステリー」がないため、それらの疾患の患者も「うつ病」と診断せざるを得ない
  • 他の精神疾患を鑑別診断せずに「うつ病」とだけ診断する医師が増加した

神経症、ヒステリーとは?

神経症(ノイローゼ)
日常用語では「うつ病」に近い。こだわりや「気分本位」が特徴。性格要因が強く、他罰的傾向が強い。症状により、抑うつ神経症、不安神経症、強迫神経症など
ヒステリー
日常用語では「わめき女」。性格が未熟で、自己中心的、依存的、自己顕示欲が強い。他人を無意識に操作する。疾病利得がある。過去に辛(つら)い体験をもつ患者が多い。症状により、「解離(かいり)ヒステリー」と「転換ヒステリー」に分類される

ともに、心のメカニズムにより発症。薬物療法は補助的で、精神療法が治療の主体となる
自殺は少ない

「うつ病」の治療は?

  • 「うつ病」の種類が幅広いため、患者がどの「うつ病」かを見きわめ、「薬物療法」だけでなく、「精神療法」や「休息(休職、休学など)」、「環境調整」、「生活習慣の改善」など、総合的に行われる

ご本人の「個別治療」は、ぜひ、当院へ!

まとめ

  • 現代のうつ病が、社会の変化や診断基準により、少々混乱した状況であることを説明した
  • 実際のうつ病患者も以前と異なったタイプが増えていると多くの人たちが感じている
  • うつ病のなかに、薬だけでは治りにくい、性格要因の強いタイプが存在する
  • うつ病を厳密に診断して、それぞれのうつ病患者に対してその人に合った治療法、薬物療法だけでなく休息(休職、休学など)、生活指導とともに、精神療法や心理カウンセリングが重要になってきていると思われる
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