次のステップで「コラム法」を使い、予想と現実の違いを確かめます。
まずは、あなたが困っていること、あなたが解決したい問題をはっきりさせましょう。
その後は次の認知療法・認知行動療法「7つのステップ」の段階にして進めていくようにします。
【第1ステップ】
状況(気持ちが落ち込んだり、不安になったときの出来事)あなたが困っていること、あなたが解決したい問題をはっきりさせましょう。
【第2ステップ】
その時のあなたの感情(気持ち)や行動、そして、あなたの考えについて調べてみましょう。感情(不安、怒り、悲しみなど)。
【第3ステップ】
あなたの考え方があなたの感情や行動にどのように影響しているかを調べてみましよう。自動思考(そのときに浮かんだ考え)その時のあなたの感情(気持ち)や行動、そして、あなたの考えについて調べてみましょう。実際の毎日のくらしの中では、「自動思考」は、瞬間的に浮かんではすぐに消えてしまううえ、自分の一部になっていてとくに意識してもいないために、どうだったかをとらえることが難しいですね。 これをとらえるためには、自分の心が迷いなどでゆれ動いて感情が大きく変化したときに、そのときに浮かんだ考えを意識するように努力して、できればその場でメモに書きとめておくことがポイントです。 そして、夜など時間があいた時にその日の「自動思考」について、10分くらいの時間を使ってまとめてみると、自分の感情を振り返って見たり考えたりすることに効果があるでしょう。
【第4ステップ】
あなたの考え方が適切かどうか、あなたの役に立っているか調べてみましょう。同じ場面で別な考え方(合理的な考え)ができないかどうかを調べてみましよう。あなたの考え方があなたの感情や行動にどのように影響しているかを調べてみましよう。
【第5ステップ】
別の見方・考え方。あなたの考え方が適切かどうか、あなたの役に立っているか調べてみましょう。
【第6ステップ】
同じ場面で別な考え方(合理的な考え)ができないかどうかを調べてみましよう。
【第7ステップ】
日常から別の考え方を考える練習をしていきましょう。
恐らく、1度や2度やっただけでは、なかなか「心をかえること」は難しいと思います。でも、くらしの中で、こんなものの見方・考え方やとらえ方があることを知っているだけでも、少しは心が楽になるでしょう。
「自由思考」と「別の見方・考え」をくらべてみることで、自分自身の「認識のゆがみ」にも気がつくと思います。
認知療法・認知行動療法で、注意しておいてほしいこと
うつ病の治療では、うつ病の具合が軽くて、性格的なものや考えかたが偏っていると思われるとき、または、軽いうつ病が長く続くようなときやパニック障害・強迫性障害・対人恐怖などの不安障害や、発達障害、摂食障害、統合失調症の症状(幻覚や妄想)、パーソナリティ障害にも効果があります。 しかし、うつ病・パニック障害・強迫性障害・対人恐怖などの不安障害や、発達障害、摂食障害、統合失調症の症状(幻覚や妄想)、パーソナリティ障害などで症状がある時は、薬物治療の方を優先し、「認知療法」は少し軽い症状になってから始めてみるのもよいでしょう。
もちろん、そのときにも薬物治療を続けながら、認知療法も併用して行うのが理想的です。
そうはいっても思考を柔軟にすることは、簡単に出来ることではないし、何回も何回もトレーニングすることによって、長い期間をかけてだんだんに修正されていくことが一番いいのです。
自分の「心の奥の中の問題」に触れていく必要を強く感じるのなら、精神科や心療内科の医師や臨床心理士・心理カウンセラーの人にきちんと指導してもらった方がいいでしょう。
もちろん、「認知療法」にも出来ないことがあります。例えば、頭のなかで別のもっといい考え方を思い浮かべることが出来たとしても、どうしても自分の持っているあまりよくない考えを消すことが出来なくて苦しむことがあるでしょう。
そんなときには、森田療法など他の精神療法をためしていくことも大切なことだと思います。